墓じまいには、さまざまなハードルが立ちはだかります。
主なハードルは以下のとおりです。
全国石製品協同組合が実施した調査によると、実際に墓じまいをした方は以下のトラブルなどに遭遇しています。
| 困ったこと | 割合 |
|---|---|
| 困ったことは特にない | 44.0% |
| 石材店の見積もりが高すぎる | 10.0% |
| 離檀料が高すぎる | 8.0% |
| 寺院が墓じまいをすんなりと認めない | 6.0% |
| 親族間のトラブル | 2.0% |
誰にでもトラブルは起こりえるため、万が一に備えて準備をしておくことが大切です。
本記事では、よくあるトラブルとその回避策を、体験談を交えてわかりやすく解説します。
墓じまいでよくあるトラブルTOP4
墓じまいでよくあるトラブルは以下のとおりです。
ここでは、これらのトラブルについて詳しく解説します。
家族間・親族間のトラブル:意見の不一致
身近なトラブルとしてあげられるのが、家族・親族との意見の不一致です。
参考に、よくあるトラブルの例を紹介します。

関東に住んでいる兄は、実家の墓参りにほとんど来ていませんでした。私が中心になって墓じまいを進めたところ「勝手に決めた」と激怒されました。最終的には納得してくれたのですが、話し合いに数カ月かかりました。
トラブルの主な原因は説明不足です。
家族、親族であっても、突然の話は受け入れにくいでしょう。
感情的になって反対することも考えられます。
相手のペースを考えつつ、丁寧に説明することが大切です。
菩提寺とのトラブル:離檀料が予想以上に高い
墓が寺院にある場合、墓じまいにともない離檀(檀家をやめること)することになります。
その際に発生するのが離檀料です。
離檀料の相場は、5~20万円程度といえるでしょう。
ただし、明確な基準はないため、数百万円を請求されることもあります。
参考に、実際に起きた事例を紹介します。
出典:独立行政法人国民生活センター「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意(2022年6月28日公表)」

墓じまいの挨拶に行ったところ、50万円以上の離檀料を提示されました。思っていた以上に高かったので、理由をおうかがいしましたが「決まりだから」としか答えてくれませんでした。とても残念な気持ちになりました。
このような問題が起きる理由は、金額に明確な基準がないからといえるかもしれません。
具体的な金額は、菩提寺との関係性、墓がある地域などで異なります。
対策を調べてから、住職に相談することが重要です。
墓じまいにかかる費用の相場は以下の記事で解説しています。
石材店とのトラブル:費用の相違と工事内容の不一致
墓じまいに欠かせない工程として、墓の撤去と区画の整地があげられます。
原則として、これらの作業は石材店へ依頼します。
ここでも、トラブルは起こるため注意が必要です。

初めての墓じまいだったので、近所の石材店へ依頼しました。後からわかったのですが、相場よりかなり高い金額を請求されていたようです。もう少し調べてから石材店を選ぶべきでした。
トラブルのおもな原因は、確認不足といえるかもしれません。
見積金額や契約内容を、よく確かめておくことが重要です。
手続きのトラブル:書類の不備(改葬許可など)
墓じまいを進めるため、さまざまな書類が必要になります。
たとえば、改葬(現在の墓から新しい墓へ引越し)を行う場合は、市区町村に申請して改葬許可証を取得しなければなりません。
手続きを進めるため、原則として以下の書類が必要です。
これらの書類を取得していなかったり、これらの書類に不備があったりすると、手続きを進められません。

郵送で手続きを進めていたところ、書類不備で差し戻されました。必要書類が足りていなかったようです。電話で手続きを確認してどうにか申請できました。もう少しわかりやすいとよいかも。
墓じまいの手続きは、想像以上に手間がかかります。
無駄な手間を省くため、あらかじめ必要書類をリストアップしておきましょう。
改葬許可申請の流れと必要書類は、以下の記事で詳しく解説しています。
墓じまいで家族・親族とのトラブルを回避する方法
ここからは、家族・親族とのトラブルを避ける方法を紹介します。
家族会議・親族会議を行う
墓じまいは、単なる「お墓の撤去」ではありません。
これからの供養の方法に関わるため、家族・親族の合意を得てから進めることが大切です。
参考に、トラブルが起こりやすいケースを紹介します。
これらのトラブルを防ぐため、開催したいのが家族会議・親族会議です。
もちろん、形式にこだわる必要はありません。
親族が集まったときに話し合ったり、LINEのビデオ通話機能を使って話し合ったりすることもできます。
家族間・親族間で話し合いたいポイントは以下のとおりです。
話し合った内容を記録しておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
必要に応じて、同意書などを作成しておくとよいでしょう。
契約書・領収書の保管
支払いに関するトラブルを防ぐため、契約書や領収書など書類を保管しておくことも大切です。
墓じまいに関わる主な書類は以下のとおりです。
管理が面倒な方は、原本をスマートフォンで撮影して保存しておくとよいかもしれません。
家族・親族から問い合わせがあったときに、証拠として提示できるとトラブルを防ぎやすくなります。
墓じまいで菩提寺とのトラブルを回避する方法
続いて、菩提寺とのトラブルを回避する方法を紹介します。
離檀料についてよくある誤解
墓じまいで遭遇しやすいのが、離檀料に関するトラブルです。
改葬許可証を申請するときに墓の管理者が発行する「埋葬(納骨)の事実を証明する書類」が必要になるため、ケースによっては深刻なトラブルになりえます。
離檀料の相場は5~20万円程度です。
しかし、中には数十万円、数百万円の離檀料を請求されることもあります。
檀家の減少は収入の減少を意味するため、菩提寺にとっても深刻な問題なのです。
トラブルを回避するため、離檀料について理解を深めておくことが重要です。
参考に、よくある誤解を紹介します。
| 誤解 | 実際 |
| 離檀料を支払う義務がある | 支払う法的義務はない(風習として支払います) |
| 全国共通の相場がある | 地域や宗派、菩提寺との関係で大きく異なる |
トラブルを予防するため、これらのポイントを理解しておくことが大切です。
話し方の工夫と配慮ポイント
菩提寺は、長年にわたりお墓を管理してくれた大切な存在です。
墓じまいを報告するときは、感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
また、墓じまいの理由を丁寧に伝えることも欠かせません。
これらを心がけることで、無用なトラブルを防ぎやすくなります。
参考に、墓じまいの報告の仕方を紹介します。
長年にわたり、ご供養いただきありがとうございました。
遠方で管理が難しいうえ、子どもたちに負担をかけることもできないため、墓じまいをさせていただきたいと考えております。
ご相談が遅くなってしまい申し訳ありません。
慎重を期したい場合は、相談という形で報告するとよいかもしれません。
住職と一緒に検討することで、トラブルをより防ぎやすくなります。
どのような対応をされても感情的にならないことが大切です。
関係性が悪くなると、手続きを進められなくなる恐れがあります。
高額請求への対処方法
稀なケースですが、墓じまいにともない高額な離檀料を請求されることもあります。
先ほど説明したとおり、離檀料の支払いを法律で義務づけられているわけではありません(基本的には、支払うことをおすすめします)。
高額な離檀料を請求された場合は、払わなくても法的には問題ありません。
また、話し合いがもつれた時は、以下の施設に相談することもできます。
これらの施設へ相談する場合は、何かしらの記録を提示するとよいかもしれません。
不当な請求に気づくため、相場を理解しておくことも大切です。
墓じまいで石材店とのトラブルを回避する方法
墓じまいの費用には「遺骨の取り出し」「墓石の撤去」「区画の整地」などが含まれます。
これらのプロセスは、石材店が担当することが一般的です。
したがって、依頼先によっては、トラブルに発展してしまいます。
石材店とのトラブルを回避する方法を紹介します。
相見積もりを必ず取る
基本の対策は、複数の石材店から見積もりをとることです。
以下のメリットを期待できます。
たとえば、「一式:10万円」とだけ書かれた見積書は注意が必要です。
詳細がわからないため、追加費用が発生したり、手抜き工事をされたりする恐れがあります。
複数の見積もりを比較すると、専門知識がない方でも、おかしな点に気づけるでしょう。
一括見積サービスを利用すると、手間をかけずに複数の石材店から見積もりをとれます。
サービスの具体例として、墓石ナビ
があげられます。
契約書をチェックする
契約前に、契約書を確認しておくことも大切です。
チェックしたい主なポイントを紹介します。
| チェック項目 | 理由・ポイント |
| 墓石撤去費用の内訳 | 解体、運搬、処分などが明確に書かれていることを確かめます。 |
| 区画の整地の有無 | 雑草処理や土ならし、砂利の敷設などが含まれているか確かめます。 |
| 車両費・人件費 | 「現場が遠方」などを理由で追加されることがあります。 |
| 墓石の廃棄 | 墓石の処分を適切に行っているか確認します。 |
特に注意したいのが、墓石の廃棄です。
墓じまいの増加を受けて、墓石の不法投棄が増加しています。
出典:FNNプライムオンライン「【独自】瀬戸内の絶景スポットそばに“墓石の墓場”…1500トンが不法投棄 駐車場整備に土地活用で解決か 兵庫・淡路島(2025年3月26日公表)」
閉眼供養を行ってから撤去した墓石は、産業廃棄物として扱われます。
出典:大阪市「産業廃棄物に関するよくある質問(2023年8月2日公表)」
したがって、ルールに従い処分する必要があります。
契約時に注意したいポイントは以下のとおりです。
一括見積を利用すると、複数の候補の中から信頼できる石材店を見つけられます。
トラブルを避けるため、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
悪質な石材店への対処法
注意をしていても、悪質な石材店と遭遇することがあります。
急に連絡を取れなくなった、不明瞭な料金を請求されたなどのトラブルが発生した場合は、以下の施設で相談できます。
| 相談先 | 対応できる問題 |
|---|---|
| 消費生活センター | 契約トラブルや費用の妥当性などについて相談できる |
| 弁護士 | 発生した損害等について法的な相談を行える |
契約前に石材店の口コミをチェックしておくと、悪質な業者を排除しやすくなります。
墓じまいで手続きのトラブルを回避する方法
墓じまいには、法的な手続きもかかわります。
手続きを誤るとやり直さなければならないため、全体像を理解して確実に進めていくことが大切です。
参考に、一般的な墓じまいの流れを紹介します。
- ステップ1家族・親族との相談
- ステップ2墓石撤去の依頼先と新しい埋葬先を決定
- ステップ3墓じまいに必要な書類を確認
- ステップ4改葬許可申請書を取得
- ステップ5墓地管理者へ墓じまいを報告
- ステップ6改葬許可証の取得
- ステップ7閉眼供養・遺骨の取り出し
- ステップ8墓石を撤去して区画を更地にする
- ステップ9新しい埋葬先への納骨・供養
ステップが前後することはありますが、以上の流れを押さえておくと混乱することなく手続きを進められます。
参考に、トラブルを防ぐポイントを紹介します。
墓じまいの流れについては、以下の記事を参考にしてください。
手続きの前に必要書類を揃える
墓じまいでは、原則として以下の書類が必要になります。
| 書類 | 発行元 | 備考 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 墓がある市区町村役所 | 原則として、自治体の公式サイトでダウンロード可 |
| 埋葬(納骨)の事実を証明する書類 | 現在の墓の管理者 | 故人の遺骨が埋葬済であることを証明する書類 |
| 使用許可証・受入証明書 | 新しい埋葬先の管理者 | 新しい埋葬先が決まっていることを証明する書類 |
| 改葬許可証 | 墓がある市区町村役所 | 改葬(遺骨を新しい墓へ移す)許可の取得を証明する書類 |
書類が揃っているだけでなく、記載内容に誤りがないことも求められます。
発行元で、記載方法などを確かめておくことも重要です。
トラブルを回避するためのチェックリスト
ここからは、トラブルの回避に利用できるチェックリストを紹介します。
印刷してメモなどに活用してください。
家族・親族に関するチェックリスト
| チェック項目 | 補足ポイント |
| □ 墓じまいを希望する理由を自分の中で明確にしている | 距離、後継者不在、金銭面など |
| □ 配偶者・兄弟姉妹・子どもなど主要な家族・親族に相談済み | 口頭+文書で意思表示するとトラブル回避に有効 |
| □ 家族・親族の反応・意見を把握している | 特に反対者がいる場合は早めの対応を |
| □ 必要に応じて家族会議を開いた | LINEのビデオ通話などオンラインでも可 |
挨拶状だけで問題ないこともありますが、トラブルが心配な方は以上の対策を検討しましょう。
菩提寺に関するチェックリスト
| チェック項目 | 補足ポイント |
| □ 墓じまいの意思を住職に丁寧に伝えた | 感謝の気持ちを込めて相談する |
| □ 離檀料の目安(相場)を事前に調べている | 5〜20万円程度。寺院によって大きく異なる |
| □ 離檀時の供養(閉眼供養)について確認済み | 僧侶の手配も含めて |
高額な離檀料を請求された場合は、消費生活センターなどに相談できます。
また、法的に支払い義務があるものでもありません。
石材店との確認チェックリスト
| チェック項目 | 補足ポイント |
| □ 2〜3社から見積もりをとった | サービス内容・価格の比較が重要 |
| □ 見積書に撤去工事の内訳が明記されている | 墓石解体/車両費/処分費など |
| □ 廃棄物の処理方法が明確 | 不法投棄トラブルを防止 |
| □ 墓地の整地・更地化までが含まれているか確認 | 原則として、区画を更地にして返却するため |
| □ 追加費用の条件が契約書に記載されている | 作業当日の想定外出費の防止 |
悪質な石材店を避けるため検討したいのが相見積もりです。
複数の石材店から見積もりをとると、高すぎる事業者、安すぎる事業者、見積もりがいい加減な事業者等がわかります。
ただし、申し込みに手間がかかるため、一括見積サービスの利用をおすすめします。
行政手続き・書類のチェックリスト
| チェック項目 | 補足ポイント |
| □現在の墓がある自治体で手続き・必要書類を確認した | 自治体により手続き・必要書類は異なる |
| □ 改葬許可申請書を取得した | 自治体の公式サイトまたは窓口で入手可能 |
| □ 埋葬(納骨)の事実を証明する書類を取得した | 現在の墓の管理者から取得 |
| □ 改葬先の受入証明書または使用許可証を取得した | 新しい埋葬先の管理者から取得 |
| □ 記入漏れ・修正がないか確認した | 書き直し回避で時間短縮 |
以上のポイントを確認すると、手続きをスムーズに進められるはずです。
【その他】全体的のチェックリスト
| チェック項目 | 補足ポイント |
| □ 墓じまいの全体スケジュールを立てている | 春彼岸・お盆・秋彼岸など時期を意識 |
| □ 無料資料請求・一括見積サービスを活用した | 比較材料と「親族への説得材料」にも有効 |
| □ 契約書や領収書をすべて保管している | 事後のトラブル対応に備える |
| □ 万一の相談先(自治体の窓口・消費生活センター)を把握している | 事前に控えておくと安心 |
チェックが完了したら…
ここまでのチェックで、想定されるトラブルの多くを防げるはずです。
とはいえ、すべてのトラブルを防げるわけではありません。
油断することなく、必要な情報を集めることが大切です。
よくある質問(FAQ)
- Q親族が1人だけ反対しています。このまま墓じまいを進めても問題はありませんか?
- A
法的には「墓地の使用権者(=祭祀継承者)」の判断で墓じまいを進められます。
しかし実際は、寺院などから親族の同意を求められることがあります。
墓は親族にとっても大切な存在です。
強引に手続きを進めると、関係が悪化するリスクがあります。
難しいかもしれませんが、以下のポイントを意識つつ丁寧な説明を心がけてみてはいかがでしょうか。
第三者(たとえば、石材店の担当者など)を同席させて話し合うと、感情的なトラブルを防ぎやすくなります。
- Q高額な離檀料を請求されて困っています。どうすればよいでしょうか?
- A
離檀料を支払う法的な義務はありません。
ただし、菩提寺との関係性を考えつつ、慎重に対応することが重要です。
参考に、対処のポイントを紹介します。今後もお世話になる可能性があるため、対立を避けつつ話し合うことが大切です。
- Q悪質な石材店には、どう対処すればよいですか?
- A
以下のような行為があれば、悪質業者といえる可能性があります。
基本の対策は以下のとおりです。
契約を結んでしまうと、トラブルの回避は難しくなります。
石材店を慎重に選んでから契約することが重要です。
一括見積サービスで複数の事業者を比較する、実績や口コミを確認するなどの対策が効果的といえるでしょう。
まとめ:確かな準備でトラブルを回避|安心・納得の墓じまいに
墓じまいは単なるお墓の撤去ではなく、親族関係、お金、宗教、手続きなどが複雑に絡む一大イベントです。
準備を怠るとトラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。
安心して進めるため、今からできる準備を始めることが大切です。
具体的な取り組みを紹介します。
| おすすめの取り組み | 期待できる効果 |
|---|---|
| 無料一括見積サービスを活用 | 相場感を把握できる。また、業者の比較も行える |
| 無料資料請求 | 埋葬先の候補がわかる。親族の説得などにも有効 |
| 相談窓口を調べておく | トラブルにスムーズに対処できる |
今の一歩が、今後の安心につながりますように。





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